すごく、大人の映画だった。
樹木希林=大人。
すばらしかったなあ。
老人は大人より大人、って誰かが言っていたけどまさにそんな感じで。
海辺で安藤サクラに向かって「あなた、キレイね」って言ったシーンが本当によかった。
あと松岡茉優、よかった。彼女の切実さが、短いセリフ、佇まいからギュンって伝わってきた。
若いって辛いよな。生きてるって辛いよな。懐かしいよ、切実さ。がんばれ!って思った。
そして安藤サクラのあのシーンは、確かに、まぎれもなく「映画」で。
ともかく、大人がどうすればいいのか、大人どうし、これからどうすんの、っていう話だったような気がした。
男だったら最後のほうのリリーさんとしょうたくんのシーンに涙するのかもしれないなあ。
なりきれない父、なりきれない息子、みたいな。
以下、見た直後にTwitterにあげた感想
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何かを強く突きつけるわけでもない。でもこれを見たらこれから自分がどうしたらいいかを考えあぐねてしまうような映画だった。制度やシステムを支える立場の人たちが見たほうがいい映画。たしかに子供には面白くないかもな、この映画。大人の話だった。大人どうしがどうしていくかの。
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自分が子供を生んでから世話にならざるを得なかったあの制度やシステムや社会の暴力性。みたいなことを思った。
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みんな演技が上手だったなあ。演技。演技なのだよね。家族。
という感じでした。
複雑で残酷な世の中。
その世の中で自分はどこに立っている?どう立っていく?ここからどう進む?どう生きる?
考えあぐねてしまったよ。
でも、考えてもそうは変われない。
ここから、ここで、何かやるしかないんだ。とも。
ま、それは最近の想いでもあって。
「幻の光」から数本は必ず見てた是枝作品、ここ10年くらい?は全然映画館で見ていなかった。
「誰も知らない」以来かもしれない。映画館で見たの。
去年見た「私はダニエル・ブレイク」があまりによかったので関連で見ておきたいと思って見た。
世界が、人が、脆く、儚くなっているのかな。
誰ともわかりあいたくないよ。
そんな気持ちにもなる。
なんだか。
後日談
映画評論家の三浦先生はこの映画嫌いらしい。
情緒的なシーンが許せないとか
虐待されてた子があんなに素直に打ち解けるわけないとか
色々言っていた。
キレイキレイなところが許せないっぽい。
私が「是枝監督大人だなあ」って思った部分、ことごとく悪く言ってたかも。
先生は【映画】に【上から目線】で先生的なこと言われたくないのかもな、と思った。